姫路聖マリア病院プログラム責任者の金谷です。
今回は私の趣味についてお話しさせていただきます。(年配医師の趣味など、ご興味のない方も多いかと思いますが)
1つ目はゴルフです。
私が初めてゴルフクラブを手にしたのは、外科研修医1年目の時です。当時いわゆるバブルの真っ只中で、同僚に誘われて見よう見まねで練習していた記憶があります。もともと野球をしていたことで、「振る」ということに違和感はなかったのですが、止まっているボールがまっすぐ飛ばないことにもどかしさを感じ、すっかり虜になりました。それから忙しい外科研修のさなか、時間を見つけては、あーでもない、こーでもないと試行錯誤し自己流でスイングを作っていきました。現在のようにYouTubeなどのレッスン動画ももちろんなく、テレビで見るプロゴルファーのスイングや、ゴルフ雑誌のプロのスイングの連続分解写真を見て自分なりに理解して次の練習に生かしていました。今ではYouTube でプロのスイングがアマチュア向けに解説されていたり、レッスンプロの動画配信もあり、私が辿ってきたような遠回りをしなくても有効的な学習が可能となっています。
これは外科研修医教育においても同じ思いがします。現在でも外科研修において先輩の手術を見て学ぶことと手術教科書がベースであることには変わりありませんが、それに加え各種動画やe-Learning などにより、全国のいわゆるauthorityと言われる先生方の手術手技を自宅に居ながらにして学ぶことができます。本当に恵まれた時代になったと感じています。
ゴルフは時に「時間とお金の無駄」と揶揄されることがあります。半日をかけて安くないお金を払ってプレーするわけですからもっともなご意見だと思います。でもそれにも負けない価値も感じています。それは①仲間、②ストレス発散、③向上心の持続 です。一緒にプレーする仲間はかけがえのない仲間であり、時として新たな出会いもあります。ストレス発散は緑の中で白球を力いっぱい打つ爽快感です。しかし時としてよりストレスがたまることもありますが、御愛嬌です。最後は向上心の持続です。ゴルフを長期でプレーする人で、お付き合いだからと思ってやっている人はほとんどいません。皆、過去の自分より一つでも良いスコアでラウンドしたいと思って精進しています。そういった前向きな姿勢を保つことでいつまでも生き生きと、そして若々しく年を重ねていけるのではないかと感じます。
もしもゴルフにご興味がある方は一歩前に踏み出してみてはいかがでしょうか。
2つ目は家庭菜園です。
縁あって数年前に自宅近くで菜園をお借りすることとなり、妻と二人で週末を中心に楽しんでいます。約400㎡と、家庭菜園としてはやや広めの菜園です。自分たちの食べるものですから、無農薬には拘りました。
当初YouTube などを参考に土づくりから始め、1年目にしてはまずまずの出来が期待されたころ、収穫間近の野菜たちが、イノシシやシカの獣害に遭ってしまいました。諦めかけたこともありましたが、持ち前の負けん気から、菜園の全周を2重の鉄柵で囲う大工事を2人で行いました。幸いそれ以後は一切獣害には遭っていません。(柵の外ではよくイノシシやシカには出会いますが・・・)
① 土づくり → ② 苗づくり → ③ 植え付け → ④ 虫害対策 → ⑤ 収穫 という工程を毎年ブラッシュアップしながら楽しんでいます。
出来上がった野菜たちは本当に愛おしくて、無農薬にて安心して食することができます。
ここにも私は研修医制度との共通点があると感じています。(野菜と一緒にするなよという研修医の先生方の声が聞こえてきそうですが、決して悪意はありませんので、お許しくださいね。)
土づくりは研修医の先生方をお迎えする私たちの病院のより良いプログラム作成、インフラ整備だと考えています。苗づくり以降は研修医の先生方の研修・医師としての成長、時には虫害に相当する問題点に遭遇することもありますが、一つひとつ乗り越えていく必要があります。その先には収穫という先生方の後期研修医以降への大きな飛躍へとつながります。
どちらもしっかりと愛情をもって取り組んでいけば、結果は確かなものになると思っています。
長文にお付き合い頂き有難うございました。
姫路聖マリア病院 初期研修医プログラム責任者
金谷 欣明
収穫した なす、ズッキーニ、とうもろこし、トマト、きゅうり、ピーマン、パプリカ、じゃがいも 等