妊娠と薬について

これから産まれてくる赤ちゃんのために、何をしたらいいのか。
妊娠している時にお薬を飲むのは赤ちゃんに悪い事をしているの?
病気になってもお薬は我慢したほうがいい??
今回はそんな不安を持っているお母さん、
お父さんの力になれたら良いと思います。

妊娠と胎児の成長、薬の影響は??

妊娠1ヶ月(0~4週目)

月経周期が28日の場合を例にすると、月経初日を妊娠0日とし、
月経が始まって2週目で排卵が起こり、そこで受精すると考えられています。
妊娠が成立しなかった場合には4週目で次の月経がはじまります。

妊娠2ヶ月(5~8週目)

大切な臓器ができる時期
お薬の影響を最も受けやすい時期です。

だからと言ってお薬を我慢すれば大丈夫というわけでもありません。
お母さんの体が辛いと、お腹の赤ちゃんも辛い思いをする事になります。
我慢せずに、医師に相談してお薬を選んでもらいましょう。

妊娠3ヶ月~4ヶ月(9~16週目)

外見の男女の区別ができる時期
2ヶ月目よりはお薬の影響が少ないですが、性器形成に影響のあるお薬(ホルモン製剤など)には注意が必要です。

妊娠5~10ヶ月(17~40週目)

お腹の外で生活ができるように体がつくられる時期
お薬による奇形は形成されなくなりますが、胎児への影響がないわけではありません。
睡眠薬を飲みすぎると赤ちゃんが眠りがちになったり、鎮痛薬をたくさん使っていると赤ちゃんの血管が細くなる事があります。
どのお薬をどれくらい飲めばよいのか、医師と相談して用法用量を守った服用を心がけましょう

☆妊娠△ヶ月という表現は、「満」ではなく、「数え」で表現しますので注意が必要です。
たとえば妊娠1ヶ月は、妊娠0週~4週目にあたります。

☆「奇形」とは、生まれつき見た目の形が異なることを指します。
外見だけではなく、臓器の形が異なることも「奇形」のうちです。

奇形の原因で一番多いのはお薬??

ヒトで奇形が起こる確率は100人中3~5人と言われています。 その中で、奇形の起こる確率を100とした場合、食べ物やタバコ、母体感染などによる影響は5~10 %程度とされています。お薬の影響はさらに少なく1%程度だと言われています。

奇形の起こる確率起こらない 95% その他 5% 原因不明 70% 遺伝子異常 20% 食べ物・タバコ母体感染など 9% 薬剤 1%

サリドマイド、ホルモン製剤、ある種の抗菌薬、抗けいれん薬、ワルファリン、ACE阻害薬などの一部の特殊なお薬を除けば、お薬を服用していない場合にも起こる奇形の自然発生率を増加させることはほとんどないでしょう。

妊娠に対してお薬に気をつけるのは女性だけですか??

赤ちゃんが育つのは女性の体の中ですが、パートナーである男性も影響を及ぼす事があります。
ビタミンA製剤、痛風治療薬、C型肝炎治療薬、抗ウィルス薬、抗リウマチ薬などのお薬の中には、服用中や服用終了してからも一定期間避妊の必要なものがあります。
お薬も食べ物と同じようにいつかは体から出ていくので、避妊期間を守って計画的な妊娠を心がけましょう。

赤ちゃんに影響があるお薬がある事は事実ですが、お薬とうまく付き合っていく事で元気な赤ちゃんを産んでいるお母さん、お父さんがいる事もまた事実です。
不安をそのままにせずに、いつでも医師、薬剤師に相談してください。

姫路聖マリア病院

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