薬と食品の飲み合わせ

飲み合わせとは
飲食物、嗜好品又はサプリメントなどの食品が体の中で薬と出会うと、
お薬の作用が強く出てしまったり、逆に弱まったりすることがあります。
これを薬と食品の『飲み合わせ』といいます。
ここでは注意したい飲み合わせの代表的なものを紹介したいきます。

飲み合わせの例

グレープフルーツジュース+カルシウム拮抗薬。カルシウム拮抗薬:ノルバスク®(アムロジン®)、ペルジピン®、アダラート®、二パジール®、コニール®、カルブロック®、ヘルべッサー®、ワソラン®など

高血圧や狭心症などの治療薬であるカルシウム拮抗薬は、グレープフルーツジュース(グレープフルーツも同様です)と摂取するとお薬の作用が強くなってしまいます。これはグレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分が小腸でお薬の分解を邪魔し、結果的に体内に入るお薬の量が増えるためであると言われています。グレープフルーツの影響は長く、お薬によっては3日以上持続することがわかってきています。したがって同時服用を避けるのみでなく、お薬の服用期間中はグレープフルーツの摂取を控えた方がよいでしょう。ただし、お薬によっても程度に差があります。また、グレープフルーツと飲み合わせの悪いお薬はカルシウム拮抗薬以外にもあります。個々の薬については薬剤師にお尋ね下さい。

ビタミンK含有食品+ワーファリン

納豆や緑黄色野菜に含まれているビタミンKは、血液凝固防止薬ワーファリン®の働きを弱めてしまいます。これは、ワーファリン®が血液凝固作用のあるビタミンKの働きを邪魔することで効果を示すためです。ただし、ワーファリン®に対するビタミンKの作用ばかりに気をとられて緑黄色野菜を禁止にするのは栄養上の観点からも問題があります。そこで注意点を以下に示します。

■ビタミンK含有量が多い納豆、クロレラ、青汁は食べないようにしましょう。
(中でも納豆はビタミンKを大量に含むとともに、納豆菌が腸管内でビタミンKを産生することが知られています。)
■緑黄色野菜や海藻類は食べすぎに注意してバランスよく食べましょう。

牛乳、ミネラルウォーター+ビスホスホネート製剤、
一部の抗菌薬(テトラサイクリン系、ニューキノロン系)

ビスホスホネート製剤:ボナロン®、ベネット®など
テトラサイクリン系抗菌薬:ミノマイシン®、ビブラマイシン®など
ニューキノロン系抗菌薬:クラビット®、オゼックス®、ジェニナック®、グレースビット®など
牛乳やミネラルウォーターは骨粗鬆症の治療薬であるビスホスホネート製剤や一部の抗菌薬の効果を弱めてしまいます。これは牛乳やミネラルウォーターに含まれるカルシウムとお薬がキレートという構造を形成して、お薬の吸収が低下するためです。
2~3時間、間隔をあけて服用すれば問題はありません。

アルコール+睡眠薬

アルコールは脳や脊髄である中枢神経を抑制する働きがあるため、睡眠薬などの中枢神経系薬の効き目を増強し、記憶障害などの副作用を起こす可能性があります。
睡眠薬をアルコールと一緒に飲む、アルコールを飲んだ後にお薬をのむことは、危険ですので絶対に避けてください。

コーヒー、紅茶、緑茶+テオフィリン系薬

テオフィリン系薬:テオドール®、ユニフィル®など
気管支拡張剤であるテオフィリン系薬使用中にコーヒー、紅茶、緑茶などのカフェイン含有物を大量に摂取すると、頭痛や動悸などがおこる可能性があります。これはテオフィリン薬とカフェインの分解が互いに邪魔され両者の作用が増強するためです。この他にも、痛風治療薬アロプリノール(ザイロリック®)や抗潰瘍薬シメチジン(タガメット®)などもカフェインの作用を増強するため、カフェインの大量摂取は控えた方がよいでしょう。

お茶+鉄剤

鉄剤:フェロ・グラデュメット®、フェルム®など
タンニン酸を豊富に含む食品(例:濃い緑茶)と鉄剤を一緒に飲むと、鉄剤が吸収しにくくなってしまうことがあります。そのため、鉄剤を服用する前後1時間はお茶は飲まないほうがよいといわれてきました。
しかし、最近の研究ではタンニンの影響はそれほど心配する必要はないとされています。その理由として考えられるのは、成人に必要な鉄量は1日約1mgですが鉄剤には約100mgの鉄が含まれているので、吸収を阻害するタンニン酸鉄ができても十分に体内に吸収されるからです。また、鉄欠乏性貧血になると、健康な時よりも腸管からの鉄の吸収がよくなります。そのため、鉄剤をお茶で飲んでも大きな問題はないと考えられます。
ただし、お茶と飲み合わせの悪い薬もありますので、他のお薬については薬剤師にお尋ね下さい。

姫路聖マリア病院

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