“Sustainable and Rising Mary’s” and “Patient First”
姫路聖マリア病院は1950年に開設されて以来70年を超える長い歴史と伝統を受け継ぎ、現在440床の病床にて姫路市中北部から神崎郡にかけての医療の中核として地域医療に貢献しております。当院は、急性期を中心に、救急医療、周産期医療、小児医療に積極的に取り組んでいますが、2017年には「重度障害総合支援センター ルルド」を開設し、主に播磨姫路医療圏域における障害児者の医療に重要な役割を果たしてきました。2020年より「地域医療支援病院」として病診連携や病病連携にも重点を置き、地域医療機関との連携を更に進め、患者さんにより良い医療を提供できるよう体制を構築しています。また、2022年姫路市中部以北で不足している「回復期リハビリテーション病棟」を開設し、急性期の治療終了後すぐには在宅生活に戻れない患者さんを対象として医師、看護師、リハビリ専門職等がチーム医療により「365日リハビリテーション」を導入し、低下した能力の回復やADL(日常生活動作)の改善・向上を支援することが可能となっています。
外科では乳がん、大腸がん、胃がんがトップ3ですが、現在内視鏡(腹腔鏡、胸腔鏡)を使用した低侵襲手術を胃、大腸、肝・胆・膵、肺など種々の臓器の良性疾患や悪性疾患で取り入れており、また新たに「大腸・肛門外科」を開設し様々な肛門疾患に対する専門的治療も行っています。整形外科では関節や脊椎疾患に対して低侵襲手術を行い術後の機能温存など多くの患者さんに最先端の治療をお届けしていますが、さらに多くのスポーツ外傷の患者さんを受け入れております。泌尿器科においても前立腺がん、膀胱がん、腎・尿路系がんや尿路結石などに対し、また産婦人科でも子宮頸がんなど様々な疾患で腹腔鏡による低侵襲手術を導入しており、また耳鼻咽喉科では「睡眠診療部門」を設置し最近増加している睡眠時無呼吸症候群(SAS)などに対する精査、治療を強化しています。形成外科・小児外科では漏斗胸の手術を行なっていますが、新たに高齢化とともに増加している下肢静脈瘤に対する最新治療として血管内レーザー手術を導入しておりますのでご相談いただければと思います。内科はあらゆる疾患を対象としていますが、とくに消化器内科では上部/下部内視鏡による消化器腫瘍の診断と治療、呼吸器内科では良性肺疾患から肺がんの化学療法まで広範囲で最新のガイドラインに基づいた最適な医療介入を行なっています。循環器内科では今後高齢化とともにますます増加する心不全、心房細動、弁膜症などの診断と治療、それらの再発を防ぎ死亡率を下げる心臓リハビリテーションを積極的に行っており、さらに腎臓内科では血液透析の導入、維持透析、合併症治療などを人工透析センターで行っておりますので詳細につきましてはいつでもご相談いただければと思います。
現在我が国では国民の二人に一人が何らかのアレルギー疾患を有し、その患者数は年々増加傾向で、もはや「国民的な病」になっています。小児では、生後食物アレルギーから始まり、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、さらに喘息に移行するなど成長に応じて次々と症状が連鎖するアレルギーマーチ、成人でも1人の患者さんが複数のアレルギー疾患を患っていることが多く、一つの診療科だけでなく関連する診療科の専門医が密接に関わり合いながら治療を進める必要があります。当院では、県内外および地域におけるアレルギー疾患に係る医療の質の向上およびアレルギー疾患を有する患者さんが等しく科学的知見に基づいた最新、最適な医療、さらに安全かつ生活の質の更なる向上を享受できることを目指して2021年9月内科、呼吸器内科、小児科、耳鼻科、皮膚科で「アレルギー疾患総合診療部門」及び「アレルギー科」を開設し、多岐にわたるアレルギー疾患を高い診療レベルで総合的に管理し治療することが可能です。対象疾患は気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、好酸球性副鼻腔炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、口腔アレルギー症候群、アナフィラキシーなどです。
さて、4年に及ぶ新型コロナウイルス感染症は漸くエンデミックの状態に移行しましたが、今後もこのような感染状況が持続するものと思われます。当院では「新型コロナウイルス感染症重点医療機関」として感染症専用病棟を長期間運用し、多くの新型コロナウイルス感染患者さんに対して病院を挙げて最適な医療の提供に取り組んでまいりましたが、2023年10月より当専用病棟を廃止しコロナ以前の診療体制に戻しています。しかしながら、入院時に新型コロナウイルス陽性が判明する患者さんも多くおられ、また感染症状が明らかでない不顕性感染が非常に多い状況の中、免疫の低下した多くの入院患者さんや通院患者さんの院内感染や重症化を防ぐため今しばらく院内でのマスク着用にご協力をお願いいたします。当院に受診していただいている患者さんや付き添いの方、またお見舞いの方々には十分ご理解いただいているものと確信しております。「すべての患者さんのために!」
一方、2024年4月より「医師の働き方改革」が始まり、限られたマンパワー、とくに医師の勤務時間制限や看護師の減少による様々な制約の中で地域医療を健全に維持していく必要性が求められています。これは医療従事者のみならず一般の方々も認識している日本の伝統的な医療の風土を変える大きなプロジェクトです。これに際しては多職種の職員の相互理解を通して、院内のマネジメント改革(タスク・シフト/シェアの推進(チーム医療の推進)、業務の負担軽減・効率化、勤務環境の改善、意識改革など)に取り組み実施する必要があります。また、2040年をピークとする高齢者、とくに後期高齢者の急増による少子高齢化社会の到来において、患者さんのご理解とご協力をいただきながら新たな時代の医療体制を創造することが必須となりますが、働き方改革による良好な職場環境の醸成により患者さんに対しても医療サービスや医療安全の更なる向上という形で還元、実施されることが望まれます。姫路聖マリア病院はこの中播磨地域の「基幹船」であり、この大きな船が荒波の中で巡航していくには全職員がone teamとして力を集結して前進するとともに、引き続き「急性期医療」を中心として、また「地域医療支援病院」として地域の医療機関と密な連携をとりながら「地域包括ケア病棟」、「回復期リハビリテーション病棟」、「緩和ケア病棟」などの適正な運用により、当院は今後もシームレスで質の高い医療、介護、福祉を包括した「地域完結型医療」を提供してまいります。姫路聖マリア病院は引き続き『Patient First』の基本姿勢を礎に、より高いレベルでの診療体制を日々brush upしながら地域医療の発展に貢献していきたいと考えておりますので皆様方のご協力とご支援をよろしくお願い申し上げます。
最後になりますが、私たちは、5つのF (Face)を合言葉に患者さんと社会・地域からの期待に応えられるよう全力で取り組んでまいります。
Face the hospitality
(思いやりの心)
Face the quality
(質の高い対応)
Face the patient
(患者さんに対する思い)
Face the community
(地域医療へのきめ細かい対応)
Face the total medical care
(総合的医療サービスの提供)
今後とも姫路聖マリア病院をよろしくお願いいたします。