《指導医ブログ》マンモグラフィ講習会(副院長・乳腺外科部長Dr.丸山) 

今年も9月の15・16日の連休に「第19回兵庫県マンモグラフィ新規講習会」が兵庫県医師会館で開催された。この講習会は、日本乳がん検診制度管理中央機構(NPO法人 精中機構)が、乳がん検診において、マンモグラフィ読影医の育成・精度管理を目的とした講習会である。兵庫県では、毎年この時期に開催している。

私自身、兵庫県の講習会に講師として、19回目の参加となった。
受講者は、50名。県内の先生が多いが、他府県からの参加もある。初期研修医から60歳台の御年配の先生も参加している。
講習会は、名古屋をはじめとして、東京・大阪など1年に数回開催されている(ホームページ参照)。

毎年、兵庫県では、「兵庫方式」と称して、試験対策・合格率アップのため、事前講習会を本講習会の2週間前に1日開催し、事前に配布した画像を読影していただき、当日は解説を行っている。ほぼ「マンモグラフィ予備校」と言っていいくらいの内容である。(今年は台風接近のため、中止となった)

その効果で、合格率は、全国平均50%程度であるが、過去には、兵庫県は80%と全国最高レベルを出した経緯がある。しかしながら、最近は、兵庫県でも合格率は50数%と低迷している。その原因として、以前は、少人数のグループ講習で、受講者の読影の疑問点について、細かく目が届き指導していたのだが、最近は、モニター診断での全体講習となり、どうしても教える方の一方通行となり、受講者の「読影の迷い」を吸い上げれなくなったこと、コロナ禍で読影機会が減ったことなどが考えられる。受講者のレベルは毎年同じと思われるのだが・・・。
ちなみに合格者の年齢・経験値から判断すると、若い年齢層で読影未経験者の合格率が高い傾向である。読影未経験の方が、邪念が入らず、素直に読影できるからかもしれない。

是非、皆様もマンモグラフィ講習会に参加して、資格を取り、マンモグラフィ検診に携わってください。ただし、合格しても、5年毎の更新講習会を受講し、再度読影試験を受け、資格を維持しなければならないのが、大変かもしれません。

《研修医ブログ》当直のない3連休を利用して

こんにちは。研修医2年目の上田です。

先週の3連休は皆さまどのように過ごされましたか?

僕は、家族で沖縄に行ってきました。

沖縄は定番の旅行先ですが僕は初めての沖縄だったのでとても楽しかったです。

沖縄は、ラフテーやミミガー、テンダーロインなどの肉がおいしい!

おじさんやグルクン、イラブチャーなど魚もおいしい!

さらには海がきれいでアクティビティが豊富!

なんで今まで来なかったのかと後悔するほどに楽しい3日間でした。

みなさんも是非当直のないお休みには色んなところに遊びに行って家族や友達と思い出を作ってください!

《研修医ブログ》同期で韓国旅行に行ってきました

こんにちは。研修医1年目のKです。

9月に同期でまた旅行に行ってきました。
今回は、3連休を利用して2泊3日で韓国ソウルに行きました。

毎月の日当直の日程は、研修医2年目の先輩が作ってくれており、今回同期旅行に行きたいことを考慮して9月に2回あった3連休を1年、2年だけでそれぞれ振り分けてくださいました。

旅行当日は、土曜日のAM3時に宿舎を出て、車で関西国際空港に向かいました。
気づけば食べてばかりの旅でした。カジノに行ったり、買い物もしたりしましたが、観光は全くしませんでした…。日曜日の夜はチキン、餃子、チヂミなどをテイクアウトして宿泊したゲストハウスで食べました。研修のローテーションがそれぞれ分かれており、勤務中にはなかなか顔を合わせられないメンバーもいますが、今回たくさん話せました。研修のことも、プライベートなことも、親身に相談にのってくれる優しい同期ばかりです。また、笑いのセンスも抜群で笑いの絶えない旅でした。

ソウルでは、似顔絵を書いてくれるお店が何ヶ所もあり、今回の旅行に参加できなかった2人の分も含めて全員分書いてもらいました。写真をみせて書いてもらった2人が全然盛れておらず、出来上がりのイラストを見て爆笑したのもいい思い出です。

また、火曜日から日常に戻り、それぞれのローテーションの科に分かれて、研修をがんばっています。わたしは、今週から産婦人科をまわりはじめたのですが、初日から先生方もスタッフの方も皆さんとても優しく、なんて素敵な職場だと感じながら過ごしています。このローテーションを通じて、妊婦さんや女性特有の疾患への理解を深め、プライマリーケアについてしっかり学ばせていただきたいと思っています。

当院で研修できていることを嬉しく思う日々です。
興味をもたれた方は、ぜひ1度見学にいらしてください。お待ちしています。

《指導医ブログ》海外学会参加の勧め 〜もっとグローバルな視点を持とう〜(病院長Dr.金廣)

医学生並びに研修医のみなさんこんにちは! 病院長の金廣です。
前回の7/7/23のブログでは「留学の勧め〜アナザースカイの実現へ〜」というタイトルで医師の留学についてお話ししました。
そこで、今回は留学に繋がる「海外学会参加の勧め」をテーマにしたいと思います。

(1)日本人の国際学会参加の現状
研修医のみなさんにとって実臨床で経験した貴重な症例を学会で発表することは、これから医師として長い人生を送る上での最初のハードルであり(高くはありませんが)全ての医師にとって必須の経験となります。症例の担当医となった場合、指導医の先生とディスカッションしながら英語の文献を読み漁り、スライドを作成し新たなエビデンスを聴講者の前で発表した後に残るのは自信と達成感、そしてstep upして一回り大きくなった自分の姿です(不思議とそんな感じがするものです)。もちろん今回のテーマである海外での学会発表は最初からできるものではありません。まずは地方会、次に全国学会学術総会での発表というレールを踏襲した後で国際学会にデビューというのが一般的ですが、最近は地方会での発表しか経験したことのない研修医が海外の学会で発表するのを度々目にします。これは指導医の熱意と研修医のやる気、怖いもの見たさ、そして将来の夢の大きさ次第です。そして学会発表を無事終了すると最終ステップが英語での論文化です。論文acceptは今回の発表がPubMeDに掲載され世界中の医学者に注目され得るスタートラインに立ったことになります。医学生や研修医、専攻医と話をすると想像以上にアカデミックかつ世界基準の活動への関心とニーズがあることを感じます。指導医の責任はこういった意欲のある医学生や研修医を将来世界で活躍可能な人材として優しく、そして時には厳しく育てていくことです。しかし、残念ながら日本の医療界ではCOVID19遷延化以前よりすでに留学を含めこのようなアカデミックな活動に対する熱量が明らかに低下しており、韓国、中国など他のアジアの国々と比較しても発表数や論文数が著しく低下傾向である日本の現状は極めて深刻です。日本人も以前のように一旗あげて世界で名を馳せようというハングリー精神がもっと必要ではないかと考えます。

(2)国際学会の醍醐味
国際学会は世界中から発表者、参加者が集まってくるため出席者は数万人に上ります。私はCOVID19前までは毎年米国呼吸器学会(ATS)と欧州吸器学会(ERS)に出席し、時々米国アレルギー喘息・臨床免疫学会(AAAAI)、欧州アレルギー・臨床免疫学会(EAACI)に参加していました。どこの学会に参加し発表するかを考慮する際の決め手は学会のレベルと開催場所です。ATSは世界最先端の学会ではありますが学会場の規模の問題で最近はサンフランシスコ、サンディエゴ、ワシントンDCなどに固定されつつあります。以前は私が留学していたデンバーでも開催され、留学先のNational Jewish Healthの旧知達と親交を深めていましたが、ホテルの数が不足気味となり最近は開催されていません。一方、現在参加者が最も多いのはERSで、なんと言っても開催場所が非常にattractiveです。ロンドン、バルセロナ、アムステルダム、パリ、マドリード、ミラノ、そして今年ウイーンで開催されるERSにCOVID19以降5年ぶりに参戦します。さて、ATSでもERSでも学会に参加しながら時間を見つけて有名な場所に立ち寄り、とくに教会や美術館、夜はコンサートやミュージカル鑑賞、そして重要なのは美味しい食事とワインを楽しみながら学会に参加している国内外の仲間で情報交換するのが常で、毎晩入れ替わり立ち替わり30-40人程度に膨れ上がることもしばしばです。こういった夜の交流でも新たな出会いが生まれ臨床や研究に大いに役立ちます。また、留学希望の人は学会中に留学先となり得る可能性のあるラボの教授とコンタクトをとって面談と情報収集をすることがあります。もちろん私たち指導医があらかじめ教授と連絡を取りあってミーティングを行う場所と時間をセッティングするわけです。ここでうまく話が進めばほぼ留学が決定します。そして学会が終わるとそのまま教授と一緒にラボに挨拶に行くこともあります(改めて日本から挨拶に行かなくても良いためお金と時間の節約になります)。さて、思い起こすと私の国際学会デビューは1994年Swedenのストックホルムで開催されたXV International Congress of Allergology and Clinical ImmunologyとAnnual Meeting of the European Academy of Allergology and Clinical Immunology (EAACI’94)の合同学会でした。


 

 

 

 

1984年に岡山大学を卒業後全身管理がしたくて麻酔科入局(臨床研修制度がない時代です!)、2年後に第二内科(現在の血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科)に入局し数箇所の病院を回って大学に戻ったのが1990年ごろ、喘息の研究を開始し国内学会では発表の経験はありましたが海外の学会はnew worldでした。国際学会の発表は一般的にはOral PresentationとPoster Sessionに分かれていますが、日本人はPoster Sessionでabstractを応募することが多く、その後学会側がabstractの内容を評価しまず採否が決定され、その後採択演題の中から上位10-20%程度をPoster Discussion Session(学会によりパーセンテージは異なります)、残りがThematic Poster Session、いわゆるポスター発表となります。Thematic Poster Sessionではfacilitator(進行役)と聴衆がポスターの前に順番に回ってくるのでその場で5分程度の比較的和やかな雰囲気でdiscussionが行なわれ研究成果を披露することになります。それではOral PresentationとPoster Discussion Sessionはどちらがstressfulでしょうか?個人的には圧倒的にPoster Discussion Sessionです。Oral Presentationは10-15分間という時間が決まっているのでそれに合わせてスライドを作成するため発表後の質問に答えればいいのに対し、Poster Discussion Sessionはあらかじめテーマごとに10-20人のグループに分けられていて、2人のchairが進行具合でat randomに演者を指名し(これは全く予想ができません)、指名された演者は前に出て発表しQ&Aが始まります。2時間程度のSessionの中でいつ名前が呼ばれるかわからない状態で、逆に呼ばれない場合や何度も指名が入ったりすることもあり緊張状態が持続するためかなり疲れが溜ります。このPoster Discussion Sessionは要注意ですので覚えておいてください。さて、1994年のストックホルムの学会では二つの抄録を出していましたが両演題ともPoster Discussion Sessionに当たっていました。
(写真は低解像度ですがなんと30年前の貴重な抄録集の写真です)
この時はみんなこの発表形式がよくわかっていなかったのですが、あらかじめ座長が各ポスターの写真を何枚か撮っていたらしく、写真のスライドがスクリーンに映し出されると(どのスライドが出てくるか分からない)、比較的大きな会場でしたが演者が演題に駆け上がってそのスライドの説明と考察をプレゼンするというかなり変則的なドキドキパターンで最初は会場にどよめきが起こったのを覚えています。
その時のchairの1人がその後世界的に有名になるMcMaster大学のPaul O’Byrne教授でこの学会以降も様々な会で大変お世話になりましたが、このような医師としての将来的かつ世界的人脈構築にも国際学会は非常に有用です。ちなみに、演題455は難治性喘息に対しマクロライド薬であるエリスロマイシンが臨床的および基礎的検討において有意な効果を認めたという世界で初めての報告であり、30年を経て現在のガイドラインにもコントロール不良なNon-Type2 phenotypeの重症喘息において有用な治療薬として記載されています。このような国際学会は海外の新しい研究に触れ、また参加者とディスカッションすることで自身のモチベーション向上にも繋がります。さて、私たちのグループは学会終了後3泊のpost congress tourを企画し、ストックホルムからオスロを経由してフィヨルドを見ながら非常に美しい海辺の世界遺産の町ベルゲンを訪れた後、

 

 

 

 

北上して北極圏のロフォーテン諸島に渡り、翌朝釣り船を出してもらって釣り上げた1メータ―もある巨大なタラをそのまま船上で捌いてボイルし日本から持って来た醤油をぶっかけて食べるというシンプルだけど非常に贅沢かつ忘れえぬ味を今でも覚えています。 その後飛行機で北極圏最大の町トロムソにある世界最北端の医学部であるトロムソ大学を訪問。冬であればここからオーロラが見えるそうですが7月はそうはいかず、しかしながら非常に美しい白夜でストールシュタイネン山から見える太陽は沈むことなく再び昇っていく様は絶景でした。こんな二度と行けない北極圏の経験も国際学会に参加したからこその醍醐味です。
最近では、2017年のミラノのERSでは世界遺産であるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にあるダ・ヴィンチが1495年から1497年にかけて描いた極めて有名な「最後の晩餐」のフレスコ画や、イタリアオペラの最高峰であるスカラ座で世界3大テノール歌手プラシド・ドミンゴのオペラを3階のバルコニー席から鑑賞できたのはラッキーでした。
(フレスコ画)    (スカラ座)    (プラシド・ドミンゴ)

Castには載っているものの出演は当日発表でこの時のシリーズでは唯一の出演でした。ドミンゴはコンサートでは時々来日していますが日本で自らオペラを上演することはないので貴重な舞台でした。また、2019年マドリッドのERSでは臨場感溢れる本場のフラメンコはド迫力。

一方、2018年のダラスのATSや2019年のサンディエゴのATSでの我々の若手メンバーのポスター発表の様子ですが、みんな生き生きと説明しているのがわかります。(2018年ダラスのATS)

 

 

 

 

 

(2019年のサンディエゴのATS)

このような写真を見ていると国際学会に参加してみたいと思う人が増えてくるのではないかと期待しています。
Let’s enjoy the moment!

(3)国際学会に役立つフレーズ

それでは、最後に国際学会のプレゼンを成功させる幾つかの決めゼリフを覚えましょう。

1)オープニングとして
* Thank you, Mr. Chairman. It is my great pleasure to present the data of our study about the effects of biologic therapy on severe uncontrolled asthma.
* I appreciate the opportunity to give this presentation at this annual meeting.
* Good afternoon, it is a great honor to be here to present our results about the effects of biologic therapy on severe uncontrolled asthma.
* Today, we are going to talk about the effects of biologic therapy on severe uncontrolled asthma.

2)目的と結果の要約
* First of all, I will describe the protocol about our study briefly.
* In this presentation, I will show you the results of the study about the usefulness of biologic therapy on severe uncontrolled asthma.
* In summary, the objectives of this study were to investigate the usefulness of biologic therapy on severe uncontrolled asthma, and results was,
* To summarize my results of this study,

2)結論では
* In conclusion, I have shown that biologic therapy is very effective on severe uncontrolled asthma.
* So, from these data, we can conclude that biologic therapy is very effective on severe uncontrolled asthma.

3)謝意として
* That’s all for my presentation. Thank you very much.
* Thank you for your attention.
* I would like to thank you for listening to my presentation.
* On behalf of my colleague, I would like to thank you all for listening.
* Before I end up this presentation, I wish to acknowledge the contribution made by my colleague.