《指導医ブログ》ビギナ-のための画像セミナ-(旧研修医画像セミナ-)SPRING

医学生のみなさんこんにちは。
放射線科Fと申します。

2023年もブログ担当が回ってきました。
できるだけ医学生の皆さんに参考になるように、先日ZOOM配信にて行われましたビギナ-のための画像セミナ-(旧研修医画像セミナ-)について書かせていただきます。

この画像セミナ-は、岡山大学放射線医学教室の主催で、毎年3回開催されております。主に救急画像診断についての講演をされており、救急外来を担当する初期研修医の先生に大変役立つ内容となっています。

今回は、腹部領域の救急疾患(虫垂炎および腸閉塞症)と外傷の救急画像診断についての2講演ありました。演者の先生は、三豊総合病院の兒島聡一先生と岡山大学病院の馬越紀行先生で、明日から役に立つ救急疾患について、詳しく講演していただきました。

兒島聡一先生は、読影室での研修医との対話形式を用いた方法で講演されており、虫垂炎および腸閉塞症の画像診断についての読影手順など詳しく解説があり、臨場感あふれるご講演でした。

馬越紀行先生は、元救急医のJATECのインストラクタ-でもあり、JATEC流の外傷CTパンスキャン読影法:FACTの読影法の説明から始まり、単純CTでの出血の見つけ方や動脈性出血の見つけ方など、またIVRでの治療も含めた症例の解説もあり、救急医療現場さながらのご講演でした。

救急診療では、画像が診断の決め手になる場合が多く、姫路聖マリア病院で初期研修をされる際には、是非この画像セミナ-を聞いて、明日への診療に役立てていただきたいと思います。

今回のセミナ-では、サブタイトルとして、「虫垂炎を自信を持って診断しよう」とあったのですが、初期研修では、救急のCTに限らず、普段から腹部のCTを見る際には、正常の虫垂をみつけるくせをつけることが大事であるということでした。
虫垂炎はカタル性から壊疽性まで様々であり、実際の救急診療では、腸閉塞症にて紹介されてくることもあり、たかが虫垂炎、されど虫垂炎ということなのだと思います。

医学生のみなさんにおかれましては、医師国家試験に向けて頑張っておられるかと思います。体調管理には、くれぐれもお気をつけください。