緩和ケア病棟は要らないって言うのか! 「腎不全患者のための緩和ケアガイダンス」に思う
今朝、日経メディカルon line を見ていると、「NEWS◎日本緩和医療学会、日本腎臓学会、日本透析医学会が合同で作成 腎不全×緩和ケア、関連3学会による初の診療指針が登場」という記事がありました。
この診療指針が9月29日に発表・公開されたことは知ってたんですが、まだ読んでなかったんですよね。でも、(かの)日経メディカルon lineが記事にしたんだから……と思って、今朝読んでみました。
でも内容は……(・_・、)。
ま~、日経メディカルon lineも書いているんですが、「腎不全の緩和医療」については、今だNo evidenceなんですよね。つまり、この分野では、Randomized Controlled Trial (RCT:ランダム化比較試験)が一切行われていない。以前の記事(https://www.himemaria.or.jp/maria/palliative-care/20250918.html)を参考にして頂くとわかりやすいのかも知れませんが、医学の発展過程で、RCTが行われるようになる前は、Expert opinionを中心に、医療が行われていましたよね。「腎不全の緩和医療」については、RCTが行われてないわけですから、Expert opinionを中心に、医療が行われています。この21世紀に!
実際、この治療指針も、Expertと言われている人や、自分がExpertだと思っている人たちが、自分たちの意見を集約したものに過ぎません。そればかりか、「第4章 腎不全緩和ケアにおける医療提供体制の構築」という章では、「腎不全の医療はこうあるべきだ」という、彼らの『思い』が吐露されている始末…。しかも、その章に『緩和ケア病棟』というワードは一つも出てこない。ただの一回も出てこない! この診療指針は、日本緩和医療学会、日本腎臓学会、日本透析医学会の3学会が発表したものです。日本腎臓学会、日本透析医学会はまだしも、日本緩和医療学会は、緩和ケア病棟で働く者に、腎不全の医療を提供する必要はないと言ってことになります! 緩和医療学会よ、本気でそれを言っているのか!
朝から、怒り心頭のたかはし先生でした。
だってね、日頃から「緩和ケア病棟は腎不全患者を診てくれないんですか?」って問い合わされることが多いんですよ……(・_・、)。
たかはし