《指導医ブログ》医師の自己研鑽の考え方(呼吸器内科副部長Dr.中島 ②)

皆さんこんにちは。呼吸器内科/アレルギー疾患総合診療部門の中島です。
次に、医師の自己研鑽の考え方について私見ありでお伝えしようと思います。

自己研鑽というのは、医師が自らの知識の習得や技能向上を図るために行う学習や研究のことを指します。この中で労働時間内と認められるものは、参加する事が義務づけられている研修/教育訓練の受講や業務に必要な学習を指します。①一般診療における新たな知識、技能取得のための学習②博士の学位や専門医取得の症例研究や論文作成、学会発表や資料作成➂手術や診療の見学などは、診療業務外と判断されてしまいます。

ここで大事な事がこの3点の時間外労働に関して、「業務上必須でない行為の場合、上司に奨励されているとはいえ、明示、黙示による指示がない場合」との但し書きがあります。違和感を覚えませんか?例えば専門医を取得する際の知識や技能は必ず業務に生きますし、上司に奨励されて部下は自由決定意思があるとはいえ現実には全てを断れません。線引きがあまりに曖昧です。

時間外労働を行う条件として、医師自ら上司に申し出を行い、上司が①本来業務及び本来業務に不可欠な準備/後処理のいずれにも該当しない事②研鑽を行わない事について制裁などの不利益はない事➂上司として指示しておらず、研鑽を開始する時点において本来業務及び業務に不可欠な準備/圧処理は終了しており、本人はそれらの業務から離れている事の3点を確認する必要があるとありますが、部下の申請をこの3点を重視しまともに取り合ってくれる上司(管理職)が果たしでどこまでいるでしょうか?

医師として専門医の取得や学会発表というのは今後の医師人生において若手の時は必須の事項となっています。その業務が全て病院側はサービス残業として、しかしながらその行為は推奨し、実績を求める。完全に違和感を覚えます。

これを解消するには、①診療時間内に業務を終わらせるだけの量の自己調整とスキルをもつ②上司に推奨される事項でも自分には不要な学会活動、業務などの参加の拒否だと思います。前回の働き方改革と同様に、自分の身は自分で守らないといけません。病院側や上司から何を言われても、自分の無理のない範囲内で就労する事が大切です。

病院という場所は医師を育てる所ではなく、あくまで患者を診療する所です。その上で「医師を育てよう」とされている病院はむしろ自己研鑽を推奨していると思います。それぞれの病院での自己研鑽の推奨の仕方にもぜひ注目されてみてはいかがでしょうか。