《指導医ブログ》学会発表について Part 2 ~なぜ発表をするのか~(診療部長 兼 乳腺外科部長 Dr.丸山) 

前回のPart 1では、「スライド作成の今と昔」について、報告しました。今回は、なぜ学会発表をする理由について、私見を述べさせていただきます。

1.発表しなければ評価されない風潮があった。

私が医学部を卒業した約30年前は、バリバリの医局制度が残っている時代で、ほとんどの人が、大学卒業と同時に、それぞれの専門とする医局に属した。私は外科に入局したが、その頃の医局員は、研究医・病棟医を合わせて30名程度いた記憶がある。数年間大学病院勤務をしながら、研究をし、博士号の取得前後に、関連病院へと出局を命じられるのである。関連病院といっても、症例の多い病院から少ない病院までピンキリであり、その決定は、教授・医局長によってなされていた。その評価として、学術活動が重要視されていて、学会発表・論文掲載の業績が多いものほど、いい病院(症例の多い病院)に、赴任できる傾向にあった。そのため、頑張って、発表した記憶がある。若い時代に、発表経験を積むと、癖(習慣)になり、あまり苦にはならないものである。

2.専門医を維持するため

多くの学会は、一度専門医を取得すると、学会総会に参加するだけで、専門医資格は維持できることが多い。しかしながら、私の所属している〇〇学会の専門医制度は、5年間のポイント制になっており、毎年の学会参加が必須で、しかも5年間に最低2回の筆頭演者としての発表が義務付けられている。したがって、発表せざるをえないのである。 一度資格を失うと、再度、専門医筆記試験+面接口頭試問を受けなければならない。この専門医を維持するには、学会発表が苦手な人には、少しつらいかもの。

 

3.開催地でおいしいものが食べられる・観光もできる

何といっても、学会の楽しみは、ご当地のうまいものが食べられるということに尽きる。多くの学会会場には、ご当地の名店・名産品のパンフレットが置いてある。熊本の馬刺し・仙台の牛タン(国産ではないとの噂あり)・東京築地の寿司・新潟・金沢の酒と肴・北海道の寿司・味噌ラーメンなどなど。
大学病院時代、オーストラリアのメルボルンでの国際学会発表では、当時4人の研究生とともに、開催1週間前から出発し、グレートバリアリーフで、ダイビングをし、その後、エアーズロックに登った。学会参加時には、日焼けで顔がボロボロで、教授からは、「その顔で発表する気か?」と嫌味を言われた。メルボルンでは、教授とともに、トラム(路面電車)を改造したレストラン車内での、コース料理+ワインはうまかった。

 

4.学会発表をすれば、病院のことを気にせず、堂々と休むことができる:これが一番かも